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ブラック&デッカー 月面掘削ドリル




真に科学的な意味を持つ「月の石」の入手は、ブラック&デッカーの掘削ドリルでの月面掘削によって可能になったのでした。


アポロ11号月面着陸で世界は沸き立ちました。それから2年。アポロ計画は13号の「偉大なる失敗」を経て、いよいよ本格的な月面探査に向けて始動していました。
1971年7月26日、アポロ15号は3名の宇宙飛行士を乗せ、月へ向けて出発します。このミッションは初の本格的科学探査が目的で、月面探査車搭載など、今までにないさまざまな探査機器が月面に持ち込まれました。その一つが、今回紹介するブラック&デッカー社の掘削ドリルです。
地中3メートルまで堀る事に成功
▲地中3メートルまで堀る事に成功

ジェミニでのドリル使用訓練の様子
▲ジェミニでのドリル使用訓練の様子
■コードレスドリルの革命
1961年、ブラック&デッカー社は、アル・デッカーJrの創案と指揮の元、世界で初めてコードレスドリルを開発しました。今となっては当たり前ですが、当時、「日曜大工」ニーズが急拡大している米国社会で、この「コードレス」はまさに革命的ともいえるものだったのです。同じ年、ケネディの有人月面探査ミッション宣言を皮切りに、宇宙開発が急拡大した時代です。程なくブラック&デッカーは宇宙船製造を手がけるマーチン・マリエッタの要請でNASAとともに宇宙船外活動用のドリルの開発に携わります。
  ■ゼロインパクトという革新
コードレスということで、宇宙船にも搭載可能になったドリルですが、使用環境が宇宙空間です、日曜大工の同じというわけにはいきません。なぜなら、無重力環境でドリルを使用すると、ネジが締まるのではなく宇宙飛行士が回転してしまうのです! 
ここで一つの革新的な技術が開発されます。それが、ゼロインパクト・レンチです。これにより、船外活動などでドリルを使用しても、飛行士が回転することを回避することが出来るようになりました。コードレスが今までの常識を覆す「革命」としたら、このゼロインパクトはまさに画期的な技術革新にあたります。宇宙空間で使用可能なドリルの誕生です。さあ、インフラは整いました。




■そして月面掘削用ドリルへ
コードレスとゼロインパクトで、宇宙空間で使用可能なドリルの技術的基礎はできました。ただ、これだけでは、月面の地表3メートル下までの地質標本を手に入れるツールにはなりません。60年代後半、再びブラック&デッカーとNASAの苦闘がはじまります。
通常、掘削ドリルには、掘削のボーリングを打ち込むために空気の存在が不可欠です。ですから、空気のない月面では地球上で使用している通常の掘削機は使用できません。更に重力も1/6と大変小さいのです。
重力の小さい環境で空気の力を使わずにいかに力を伝達して掘削するか。ゼロインパクト・レンチと新たに開発されたロータリーハンマー技術が、重力が小さく空気のない月面上でも使用できる掘削ドリルの開発を可能にしました。
未知の月面掘削ですから、使用中に思わぬアクシデントもあったようですが、とにもかくにもこのブラック&デッカーの月面掘削ドリルで、アポロ15号のミッションは貴重な地質標本を入手できたのでした。
設計図
▲設計図
そしてコレが完成品
▲そしてコレが完成品

 
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